第23回ケミカルバイオロジー研究所セミナー
第80回生物科学フロンティアセミナー

講演者 中谷 和彦 教授
所属 大阪大学 産業科学研究所
演題 小分子によるRNAの二次構造制御による機能調節
日時 平成27年7月7日(火)15:00〜16:00
会場 理学系研究科A13サイエンス棟323号室
内容 ヒトゲノム解読に続くRNA研究の進展により、RNAが多様かつ重要な生体維持調節機能を有していることが明らかになってきた。2012年、「ENCODE」プロジェクトによって、ヒト全ゲノムの実に75%の領域が何らかの形でRNAに転写されていることが報告された(Nature, 2012, 489: 101-108)。蛋白質に翻訳される領域はヒト全ゲノムの3%に過ぎないことから、生理的機能を担うRNAの種類は蛋白質のそれをはるかに凌駕すると想定される。この事実は、薬の標的は蛋白質であることが常識とされてきた創薬の世界に大きなパラダイム転換をもたらし、タンパク質と同様に生体維持調節に重要なncRNAの機能制御や調節に関わる低分子が将来有望な薬になることを明示している。本講演では、これまでの我々の低分子によるDNA特異構造の認識研究について紹介した後、RNAの二次構造制御による機能調節に関する最新の研究を解説する。
世話人・連絡先 藤井 郁雄
大阪府立大学大学院理学系研究科
TEL/FAX : 072-254-9834
fujii@b.s.osakafu-u.ac.jp

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