2019生命環境科学域 理学系研究科長 メッセージ

生命環境科学域 理学系研究科長

2019年5月

教授 入江 幸右衛門 Iriye Kouyemon

理系学部・大学院への進学をめざしている皆様へ
 大学の理系学部には、工学部、農学部、薬学部など理学部以外にもたくさんあります。これらの学部と理学部はどこが違うのでしょうか。理学部・理学(系)研究科においては、物事の本質とは何か?その不思議な現象はどのようにして起こるのか?このような疑問に答えたいという動機から教育研究が行われています。従って、基礎教育・基礎研究を大切にしていますし、各人の個性を大切にしています。以上のような特徴を理学部・理学(系)研究科は持っています。高校生・大学生である皆さんが、そのような理学部・理学(系)研究科に進学して、「研究者になれたらよいが、研究者になれない場合は就職する際に困るのでは」という疑問を持たれるかもしれません。しかし、理学部・理学(系)研究科は、他の理系学部・研究科と同様の高い就職率を誇っています。就職して企業に入られて大学(院)で学んだことと直接関係のある仕事に就かれることは少ないでしょうし、仕事の変化とともに必要とされる知識・技術も変化していきます。その時に、基礎教育・基礎研究を大切にしている理学部の強みが生きてきます。新しい分野の仕事をするにしても、理学出身者ならその仕事に使う基礎知識は、大学(院)で勉強しているはずです。最先端の研究が意味するところは、良い成果が上がれば今後も発展する研究ですが、良い成果が出ない場合は全員が撤退してしまう研究分野です。このような研究の流行に柔軟に対応できるのが、理学出身者です。自信を持って理学へ進学してください。
ようこそ大阪府立大学理学系研究科へ
 大阪府立大学大学院理学系研究科は、数理科学専攻、物理科学専攻、分子科学専攻、生物科学専攻の4専攻からなっています。これらの4専攻は生命環境科学域理学類の4課程に対応した専攻です。
 大阪府立大学大学院理学系研究科では、今後のグローバル化された世界に対応できる研究者・技術者の育成にも力を入れています。2008年度に採択された組織的な大学院教育改革推進プログラム「ヘテロ・リレーションによる理学系人材育成」を引き継ぎ、海外の研究者(ゲストプロフェッサー)を毎年8名程度招いて、教育と研究に携わっていただいています。そして、サイエンスコミュニケーションという科目では、英語での研究発表の方法を身に付けてもらっています。さらに、皆さんが実際に国際会議で発表される場合には、様々な外部資金や大学の経費を用いて海外に出かけてもらっています。大学院レベルでは海外の研究施設で実際に研究に従事することは大変有効です。1~6か月程度、海外の提携大学で研究に従事してもらっています。この場合、英語能力に応じて旅費滞在費を研究科が負担しています。このような環境の中で世界にはばたいてみませんか。
入江 幸右衛門教授