在学生に聞く! リアルライフ・理学類 01

数理科学 M1(修士課程1年) 宮内厚貴さん

数理科学 M1(修士課程1年) 宮内厚貴さん

数学の道を選んだきっかけとは?

幼い頃から数字が好きで、小学生の頃はよく電卓で遊んでいました。たとえば電卓で2×2×2×2×…と×を何回も押して=を押すと1024になったり、1×2×3×4×…と10まで掛けていくと362万880になるという、自分ができない計算を電卓がやってくれるのが面白くて。そんな数字に対する興味が高じて、自然と数学の道を志すようになりました。数字へのこだわりはいまも強く、日常生活ではどうお釣りを少なく支払いができるか、など数学を楽しみながら生活しています。

理学類の「数理科学」ではどんなことが学べるの?

3年次の専門科目では工学域の数理システム課程を選択しました。これは自然現象や社会現象に関する問題を、数理科学で解決することをめざす分野。工学に向いた応用数学で、ここでプログラミングやコンピュータを使った統計学など実践的な数学を学んでいました。ただ、私はもともと黒板や紙とペンを使って演算を行う純粋数学が好きで、できればそういう勉強をしたいと思っていました。それだけに2年前「理学類」が設置され、数理科学課程が新設されたときは嬉しかった! 「ここなら学びたいものが学べる!」と興奮しましたね。

現在私が取り組んでいる代数学は、数字の代わりに文字を用いて方程式の解法を研究する学問で、足し算や引き算などの演算を行います。たとえば中学生で学ぶ二次方程式には解の公式があり、その公式に当てはめると自ずと答が導き出される。三次方程式、四次方程式も同じです。しかし不思議なことに、五次方程式以降になると解の公式が存在しなくなる。それはなぜなのか。この解明に挑む学問が代数学です。代数学は工学のように直接人の役に立つものではないと思われるかもしれません。でもこうした基礎研究こそがさまざまな分野のベースとなり、新たな世界を切り拓く原動力になる。私は数学のそんなところに魅力と可能性を感じています。

数理科学課程 もちもの

研究でエモいと感じる瞬間は?

数学のセミナーですかね。そこでは黒板に文字を書き自分が勉強してきたことを発表するのですが、たくさん黒板に文字を書いたら、いったん黒板消しですべてを消し、そしてまた書く。1回のセミナーでこれを10回ぐらい繰り返します。そして最後に黒板消しが真っ白になったとき、「ああがんばったな」と達成感が満ちてくるんです(笑)。願わくば、もっときれいに消える黒板消しがあればいいな。そうしたらもっと研究がはかどる…かも!?

黒板に文字を書く

研究室の雰囲気について教えてください

私の研究室には研究対象が同じM2の先輩がいます。方向性は同じでも研究対象は異なる場合がほとんどなのに、こうしたケースはとても珍しい。わからないことを何でも話せる人がいるのは本当に幸運なことです。先生からも的確なアドバイスをいただいており、いろんなものを吸収できる、ここは最高の学び場です。

大学生活で欠かせないものは?

バインダーに紙を挟んで、何か思いついたときいつでもすぐ書けるよう持ち歩いています。2年くらいずっと使っていますが、待ち時間などにもサッと書きなぐりができるところがいい。自宅にいるときもいつも傍に置いています。

数理科学 M1(修士課程1年) 宮内厚貴さん

勉強以外にハマっているものはありますか?

小さい頃からアニメが好きで、いまも休み前には12話全部を徹夜で観たりしています。最近では『五等分の花嫁』という萌え系作品が面白かった。こうした数学とはまったく関係ない時間を過ごすことは、いい気分転換になりますね。忙しくて時間がないときでも、毎日何か1話は欠かさず観ています。

普段の一日のスケジュールを教えてください。

7時半に起床、朝食を食べ洗濯してから10時半には大学へ。午前中は研究に没頭し昼食。13時から授業やセミナー、終わるのはだいたい18時半頃です。夕飯を食べ帰宅したら、アニメを観て24時頃には寝ます。大学から徒歩10分のところに下宿し、掃除・洗濯はすべて自分でやっています。あまり苦にならないけど、でも部屋はものすごく汚い(笑)。いつも計算用紙がバラバラ散らばっています。最近は休日も大学に来ていますが、あまり家に居たくないという気持ちの現れかも!?

進路についてどのように考えていますか?

いまマスターの1年目ですが、ドクターまで進み、その先も数学の研究に携わりたいと思っています。大学で教鞭を執るのが夢ですね。いま教わっている先生のような。先生は私の憧れです。

黒板に文字を書く

理学類への要望はありますか?

理学類を知ってもらう機会がもう少しほしいです。中でも数学のオープンキャンパスのデモンストレーションは、物理や分子に比べいつもアピール力が弱くて…。それでも昨年は予想以上に多くの人が来てくれて感激しました。今年は昨年以上に数学の面白さを伝えられるようがんばります!

高校生へのメッセージ

教科書や本に載っていることに対して、ちゃんと疑いの目を向けて欲しい。当たり前と思っていたことが、そうでなくなることが少なくないいま、情報を鵜呑みにせず、自分で確認する習慣をつけて欲しいですね。私の場合、そういう感覚は数学によって培われた。物事の見方を深めていく作用が数学にはあるんです。そんな数学の魅力を、ぜひ一人でも多くの高校生に知ってもらいたいと思っています。

数理科学 M1(修士課程1年) 宮内厚貴さん

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